NIMのトリセツ #02 ホオズキについて
こんにちはNIMです。
前回のNIMのトリセツ #01ではアートを始めてから4年間の歩みについて紹介させていただきました。今回は僕のメインモチーフのホオズキについて詳しく紹介していきたいと思います。何故ホオズキをモチーフに選んだのか?何故こんなに大量に同じ絵を描いているのか? 今後の展開などを紹介したいと思います。
何故ホオズキをモチーフに選んだのか?
絵を始めて1年くらいはキャンバスに黒のマジックで何となく頭に浮かんだものをアイデアスケッチ感覚で描いていました。描きながらこの先のアート活動についてどうするのか?このまま描き続けて何の意味があるのか?アートをやるにしても自分には何もないのにあまりにも無謀なのでは?などが頭をグルグル回ってかなり病んでいたと思います。
ここで僕のいいところでもある頭の悪さが発揮されます。
「自分に何もないのなら、作ってしまえばいい」という安易な発想から、自分の絵のブランドとなるモチーフを考える事にしました。でもモチーフを考える事は思っていた以上に時間がかかりました。ホオズキに決めるまでに多分1年くらいはかかったと思います。
自分らしいモチーフを決めるために、生き物・植物・花・モノ・色など様々なものを調べました。その時に花言葉について調べていたらたまたまホオズキのページが目に入り読んでみました。花言葉はごまかし・偽り・欺瞞・半信半疑・自然美・心の平安など、少しネガティブな意味がつけられていました。
ホオズキの実は大きく見えるのに中は空洞で小さな実しか入っていない事から、このような花言葉になったのだと思います。
でも、ホオズキの実は枯れると葉脈だけが残り中の実が丸見えになります。透かしホオズキと呼ばれる状態です。これを見て僕のアンテナが反応しました。
透けていないホオズキの実が「嘘」を表しているのであれば、
透けているホオズキは「真実」なのでは?と。
これだ!と思い、モチーフを透かしホオズキに決める事にしました。
花言葉でネガティブな表現をされているホオズキですが、花言葉は人間が考えた情報であってその情報が世の中に広がって常識として植え付けられたものです。本当にその常識が正しい事なのでしょうか?現代社会も真実か嘘かもわからないニュースが広がって多数派の意見が真実として植え付けられている状況に疑問を感じる事がよくあります。常識として植え付けられてきた事が果たして本当に正しい事なのか?という疑問を呈する意味もホオズキには込めています。
これは馬鹿げた考えですが、ホオズキの花言葉を「嘘」ではなく「真実」に変える事ができたらいいなとも思っています(笑)
何故こんなに大量に同じ絵を描いているのか?
現在、CasieにレンタルされているNIMの作品数は300種類を超えました。何故こんなに沢山のホオズキを描いているのかを説明をしたいと思います。
NIM=ホオズキというブランドの確立
僕は41歳から絵を始めるという、変わった経歴なので普通に周りのアーティストさんと同じやり方をしていては勝てるはずがありません。勝てるどころか追いつくことさえできません。なんといっても始めたのが遅すぎます。
それを補うためには、一目で誰が描いたのかがわかるブランドが必要だと考えました。そこでまず透かしホオズキというモチーフを自分のものにする必要があったので大量にホオズキを描き続けました。そして普通の人の10倍絵を描いて少しでも時間的なビハインドを埋めたかったので、ほぼ全ての時間を絵を描く事に費やしました。
この短期間で同じモチーフを300枚も描く頭のネジの飛んだアーティストは世界で僕だけだと思いながら描いてました。同じ作業を普通の人がやったら頭がおかしくなると思います(笑)特に僕のホオズキは細かい作業なのでやりたいと思わないですよね?
でも、ここが重要なポイントだと僕は思っています。誰もやりたいと思わないという事は、真似をされる事がないという事です。
誰もやらないという事は唯一という事なのでブランドができたという事になります。
NIM=頭のネジの飛んだ変なアーティスト
NIM=普通のやり方をしないアーティスト(普通のやり方を知らない)
NIM=独学で無謀な挑戦をするアーティスト
NIM=ホオズキばかり描くアーティスト
良いか悪いかは別として上記のようなブランドを手に入れた事で他のアーティストの方と差別化ができたと思っています。
このブランドを手に入れるために2年間、変な目で見られようと理解されなかろうと自分を曲げずにホオズキを描き続けました。
ホオズキばかり集めた個展をやるため
ホオズキを描き始めた当初から、いつかホオズキが何百枚も飾られている個展をやる事を目標に頑張ってきました。イメージとしては、広いスペースにホオズキの絵を天井から大量に吊るして幻想的な空間を演出できたらと思っています。個展をやるためには大量の作品が必要になるので沢山のホオズキを描きました。もともと1枚の作品で1つの作品というつもりはなく、僕の描いた全てのホオズキで1つの作品だと思って描いています。そういう意味でも沢山のホオズキが集まった個展を是非やってみたいと思っています。
沢山の方にレンタルをしてもらうため
アートのサブスクレンタルCasieは日本全国にユーザー様がいます。47都道府県あるので一県に一枚としても47枚の作品が必要になります。そう考えると300作品でも全然足りないくらいだと思っています。全国にホオズキを広げて一人でも多くの方にレンタルしてもらうためにも数は大事だと考え、沢山のホオズキを描きました。
今後の展開
今後の展開については、もちろんホオズキも描いていきます。すでに描きたいホオズキのイメージも沢山湧いてきています。ホオズキの他にも、裂け目シリーズなどの抽象画や全く新しい作品にも力を入れていく予定です。すでにイメージは浮かんでいるのですが、時間に余裕がないのでまだ描けていません。余裕がないときに絵を描くと余裕のない作品になってしまうので描くのはやめています。今は充電中です。
インプットも大切だと思い、先日、愛知2022国際芸術祭に行ってきたのですが、そこで奈良美智さんの展示を観たときに僕がやりたい事はこれだ!と感じました。奈良さんの代表作でもある少女の作品がメインで飾られていたのですが、縦3メートル位あってなんとも言えない空気感が漂っていて、めちゃめちゃシビれました。いつか僕もこれくらい大きなホオズキを描いてみたい!と心がザワザワしました。
あそこに辿り着くためには、どうすればいいのか現時点ではまだわかりませんが無理だとは思っていなくて、行けると思っています。これから、自分に何が足りないのかを考えて前に進みたいと思います。
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