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カシエのトリセツ#08 販売価格について

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こんにちはNIMです。

前回の記事ではレンタル・販売報酬について紹介させていただきました。今回は絵の販売価格について深掘りしていきたいと思います。僕も絵の価格についてはすごく悩んだ部分でもあるので、僕の考えが間違っているかもしれないので話半分で読んでもらえたらと思います。絵を売ることに対する考え方、初めて絵が売れた時の話、現在の販売価格の順に紹介していきたいと思います。※あくまでも個人的な意見であることをご了承ください。

絵を売ることに対する考え方

僕は絵を描き始めた当初、絵を売るという発想が全くありませんでした。無名の状態で売ってもお金にならないと思ったので、まずは売ることよりも自分の作品を世に広げて自分の価値を上げる事が重要だと考えました。
絵の価値について考えた時に頭が混乱したのが100億円の絵もあれば、五千円の絵もある事です。

この差は一体なんなんだ?アートの世界は何かがおかしい!

とも感じ、このぶっ飛んだアートの世界の謎を知りたいと思いました。
調べてみると絵画はプライマリー(一次市場)では余程有名な作家以外は価格が低く、作家に入ってくる金額が低いのが一般的のようです。作家の手を離れて最初の購入者がオークションに出すセカンダリー(二次市場)で価格が釣り上がり投資商品になる事で価格が跳ね上がるようです。

これを知ってなんじゃそりゃ!と怒りにも似た感覚が湧き上がってきたのを覚えています。

一番苦労した画家にはセカンダリー市場で価格が上がったとしても一円も入ってこないなんて絶対に間違っている!だから画家は貧乏なんだと納得がいきませんでした。僕は絶対にこんな理不尽な事は嫌だったので、絵を売る事に消極的になってしまいました。(この問題は、NFTアートで解決できているのでNFTアートも一応、販売しています。でも勉強が全くできていないので現在は休止しています。)

初めて絵が売れた時の話

安く絵を売る事に疑問を持ちながらも、自分の作品の価値を上げるために公募展に応募したり、飲食店に絵を飾ってもらったりとコツコツ活動をしていました。そんな時に僕の絵を80万円で買いたいという人が現れて、売る事になったのですがこの金額でも全然高いとは思っていない自分が今思うとヤバイやつですね(笑)

売れた絵はF20号のホオズキ【無】という作品で台日藝術博覧会にも展示された思い入れのある作品だったので、正直売りたくないなぁとも思ったりしてました。

100億円の絵があるのになんで自分の作品は80万円なんだ?と。


何を贅沢なことを言っているのだと思われるかもしれませんが、この強気の姿勢をなくしてはいけないとも思っています。自分の人生の時間と思いを込めた作品を安売りする事は、自分にも作品にも購入してくれる人にも失礼な事だと僕は思っています。

現在の販売価格

初めて売れた金額が20号で80万円だったので僕の絵は1号4万円という価格で売る事にしています。号4万円というのは一般の人が買うにはかなり勇気のいる金額になってしまいますが、これを下げるとホオズキ【無】を購入してくれた方に失礼になってしまうので現在は号4万円で売らせていただいています。

もっと下げた方が沢山売れる事は分かっているのですが、今のところ下げないようにしています。価格を下げる事を考えるのではなく逆に購入してくれた方のためにも上げる努力をする事がアーティストとしての使命とも思っています。

Casieでも号4万円で販売してもらっています。金額の面で販売が成立しない事が10件以上ある事には、大変申し訳ないと感じているのですがここは我慢のしどころです。僕の画家としての価値が上がれば、今の金額では買えなくなるのであの時買っておけばよかったという事になります。
沢山絵を売りたいからといって金額を下げる事はあまりいいことではないというのが僕の考えです。自分が客の立場だったら本当に気に入ったものには高い金額でも気持ちよく払いたいので、変に安売りされると逆に価値を感じなくなってしまいます。

でも、Casieのユーザー様にはお金の負担を感じてもらいたくないので本当ならプレゼントしてあげたいくらいの気持ちを持っています。絵画をインテリアとして純粋に楽しみたいと思っている方々なので、高いお金を払ってもらうのは本当に申し訳ないと思っています。でも、人によって金額を変える事はやってはいけない事なので心は痛いですが、号4万円でお願いしています。いつか購入していただいた作品の価値が何倍にも上がるようにアーティスト活動を頑張っていきたいと思います。

いかがでしたか?
今回は販売価格についてでしたが、少し偏った内容だったかもしれませんね。お金にについての価値観は人それぞれなので自分の好きな金額で販売すればいいと思います。でも、1つだけ言いたいのが、価格を安くする事で沢山絵は売れるかもしれませんが、自分の時間も消費していることを忘れてはいけないと思います。絵を安い値段で売る=自分の才能、時間的価値も低いという事を認める事にもつながってしまうのでよく考えて販売価格を決めてください。

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